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進行時制(2)

進行時制の用法

進行形にしない動詞

  進行形は「~している」と日本語で訳すので、「~している」という日本語は全て進行形で表せてしまうような勘違いをしてしまいがちです。
  例えば「私はテニス部に入っています。」という英語は、「~に属する」という英語belong to ~ を用いて表せますが、
(×)I am belonging to the tennis club.(×)
とはなりません。それは belong という動詞が「~に属している」という「状態」を表す動詞だからです。進行形の基本的な意味は「現在行われている動作」でした。ここでは「動作」という言葉が大変重要で、進行形にできるのは、「歌う」とか「走る」とか「料理する」などの自分の意志で好きな時に始めたり終わらせたり繰り返したりすることができる動詞なのです。「状態」の動詞は進行形にできません。「~に属している」という行為は恣意的に始めたりやめたりは出来ない(部活に入ったりやめたりはできますが少なくとも瞬間的に始めたり、終えたりということはできない)動詞でそういう「状態」の動詞は進行形にできません。したがって先ほどの英文は、
(○)I belong to the tennis club.(○)
で表します。
  進行形にしない動詞には次のようなものがあります。

状態を表す動詞

be動詞, resemble(似ている), seem, appear(~のように思われる), have, own(持っている), belong (属している)
など。

知覚動詞

see(見える), hear(聞こえる), smell(臭いがする), taste(味がする)
など。

感情を表す動詞

like, love, hate(憎む), want, desire(望む)
など。気持ちも意志で左右できないものですね。  

認識や思考を表す動詞

know, think, understand, consider
など 

「動作」か「状態」かは文脈による

  ここで慌てて付け加えなければならないのは、上記の動詞は「いかなる場合でも絶対に」進行形にならないか、というとそうでもない、ということです。こういうところがややこしいところで面白いところでもあるのですが、ある動詞が「動作」か「状態」かというのはその動詞が使われる文脈に依存するのです。
  例えば smell(臭いがする)という動詞は、
Natto smells terrible.
(納豆はひどい臭いがする。)
  
という意味では進行形にはできませんが、
The dog smelled her foot.
(その犬が彼女の足の臭いをかいだ)
 
という場合のsmellは(犬の意志によって)「臭いをかいだ」わけですから動作と考えられ、
The dog was smelling her foot.
(その犬が彼女の足の臭いをかいでいた。)
 
という進行形は可能です。
また、「認識や思考を表す動詞」の代表格である think についても、ただ自然に頭に浮かぶ意見や考えを述べるとき、例えば、
I think that her song is really nice.
(彼女の歌は本当に素晴らしいと思う)
 
のような文では think を進行形にすることはできませんが、何かの事をテーマに意識してそれについて考える場合には「意志」が介入しますので動作に近いものと考えられ(自分で始めたり、やめたりすることができる)るので、進行形にすることができます。
I am thinking about the problem now.
(今その問題について考えています。)
  
のような場合です。